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肩に爪がくいこんだ

  • 3月16日
  • 読了時間: 1分

更新日:4月6日


【 特性がある子のはなし 】


その子は

それが

嫌いだった


だから

壊したんだ


それを


折って

破って

捨てた



とても

とても

怒っていた


きっと

何かを思い出すのだろう


きっと

とても


理不尽だった

記憶が

あるのだろう




壊してはいけないよと

わたしはその子を

止めようとした


その子は

とても怒っていて


それを壊すまでは

ずっと怒っていて


わたしの肩を掴んだ


爪が食い込んで


その子の爪から

怒りの感情が


わたしへ

流れ込んだ



こんなにも

怒りを上手に


表現できるなんて


今おもうと

そんなふうに

感心してしまう



その子は

人を叩かない

決して叩かない


一度だけ

わたしの肩へ

くいこんだその爪が


つらかった

苦しかった

嫌だった



そう叫んでいて


その気持ちが

わたしの心へ

くいこんで


そして共に

痛んだ



感情を

純粋に

表現するとき


人の輝きが

増すように思う


あの子の怒りは


悲しみと一緒に


わたしへ

くいこんで



その魅力を

記憶へと

閉じ込める



感情を

押し込めなくていい


哀しみを

感じていい


心を

責めなくていい


感じきらないと

怒りはいつまでたっても

鎮まらない








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© saori wakabayashi

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