タンッタタン
- 7月2日
- 読了時間: 2分
更新日:7月15日
【 11歳の記憶 】
どの楽器にするか
選択しなければ
ならなかった
授業で
ブラスバンドを
やるのだという
手には汗
にげたい
わたしは
出番の少ない
打楽器を選んだ

わたしは
楽譜がよめない
大人になった
今でもそれは
かわらない
演奏を
まちがえると
音楽教師は
声を荒げた
ひどいときには
譜面台が飛んできた
怒号がひびく
音楽室は
静まりかえり
なんの音もしない
まだ小学生の
わたし達は
教師の
次の言動を
だまって待つ
熱心な教師
間違いは
ゆるさない

にげたい
奥歯から
きしむ音がした
楽譜が読めない
どうやっても
読めない
にげたい気持ちのまま
練習がつづいた

タンッタタン
このリズムが打てなくて
何度やっても打てなくて
タンッタタン
タンッタタン
ほかの子は
バチを
いとも簡単に
跳ねさせた
タンッタタン
わたしのバチが
そう鳴ることは
一度もなかった
なんで出来ない?
教師はため息をつく
他人の
がっかりする表情を
わたしは何度
みただろう
そのときの
わたしは
自分がわるいことを
してしまったようで
自分が不良品として
存在してしてるようで
とても申し訳なく
からっぽになった
音楽を嫌いになり
授業は苦になった
間違えないように
迷惑かけないように
ただ
呼吸をおとす
ただ
自分を消す
ただ
息をひそめて
タンッタタン
これが打てなくて
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発達の凸凹は
見た目には
わからない
本人がまだ
困っていない
そんな時もある
情報が少ない時代は
多くの差別も
存在した
多数派が多いと
それは正しく
思われてしまい
少数派は
間違いだという
錯覚がうまれる
正解が存在すると
まるで不正解が
あるように
大きな
勘違いが
おきる
どうか
できないを
恥ずかしいと
思わないで
それよりも
できることを
それらをたくさん
大切にして
そうして
できることを
集めた中から
自分だけに
できること
それをみつけると
人生は
密度をまして
色濃くなる
もう息をひそめて
生きなくて良くなる
どうか
自分を
せめないで


